Work in MIYAGI

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モデル企業座談会

モデル企業座談会

今回の座談会では、ノウハウや知識がない、身近に事例がない、手続きや法律、制度にハードルを感じるなどの課題を持つ企業の皆様への後押しとなるように宮城県内の外国人材採用モデル企業に採用に至った経緯、当初の課題、解決した方法、現場でのエピソード、行政に求めたい支援などをざっくばらんに語っていただきました。

モデル企業とは

企業における外国人材の活用促進を目的とした宮城県の事業『Work in MIYAGI』において、人手不足の解消だけにとどまらず、海外展開など事業の高度化といった将来的な可能性を含めた、外国人材の採用に積極的に取り組む県内企業です。取り組みの度合いによりAからCのカテゴリに分類されています。

今回お話を聞かせていただいた企業は、初めての採用活動を終えて既に内定を出している企業や、数年前から採用実績があり、外国人材が第一線で活躍している企業まで、会社ごとに取り組みのフェーズは異なります。ダイバーシティの推進による組織の活性化にも大きな期待を寄せている皆さんに「外国人と働くとは」というテーマでひと言書いていただきました。

座談会動画

外国人材採用の各社の状況

ーはじめに、事業の紹介と現在の外国人の採用状況をお聞かせください。

アンデックス株式会社 代表取締役 
三嶋順氏(以下、三嶋氏)

弊社は、仙台市内でコンピュータソフトウェアの開発・運用保守の業務と、市内500の基地局による通信インフラ事業を行っています。創業は今期で14年目。外国人材は、4年前にマレーシアの方を1人、今年中国の方を1人採用しました。また、通年でインターンシップを行っており、1年間で約10人のうち3~4人の外国人を受け入れています。

株式会社こだま 代表取締役社長 
児玉康氏(以下、児玉氏)

創業73年になる地元密着の菓子製造販売会社です。今期初めて販売・マーケティングの人材として外国人を雇用しました。まだ2ヵ月ですが、私たちも学ぶことが多い毎日です。

株式会社舞台ファーム 国際部門
ディレクター針生信洋氏(以下、針生氏)

弊社は、米・野菜の生産から流通、販売までを行う農業生産法人です。グループの外国人雇用は10人ほど。コンビニで販売されるカットサラダの製造スタッフに加え、高度な能力が必要な品質管理の業務も担当いただいております。

株式会社ジェー・シー・アイ
代表取締役社長大信田和義氏(以下、大信田氏)

今期で創業48年目を迎える弊社は、主に医療・介護・福祉・保育の分野で事業を行っています。創業事業はオーダーメイドの車椅子。現在は、福祉用具のレンタルや住宅改修、介護消耗品の販売なども行っています。まだ外国人社員はおりませんが、来年4月の採用で台湾の学生を内定済みです。今回の雇用は、アジア進出の足掛かりとしても期待しています。

株式会社菅原工業 代表取締役 
菅原渉氏(以下、菅原氏)

気仙沼市で主に建設業を行っており、飲食業と、インドネシアでの製造業も展開しております。今在籍している外国人材は、インドネシアからの技能実習生が8人と、特定技能のインドネシアの方1人、合計9人です。

外国人材の存在が従業員の刺激になる

ー三嶋社長がマレーシアの方を採用されたのは、4年前ですよね。きっかけを教えてください。

三嶋氏

当時、自治体や大学などで外国人の雇用を進める動きが活発で、当社も人材不足や将来の海外進出への思いから、いち早く外国人に目を向けました。

ー舞台ファームさんも、最初の採用は数年前ですね。

針生氏

はい。新型コロナウィルスの影響で期間が空いてしまいましたが、今年5月に3期生が入りました。実習の活用のきっかけとなったのが、美里町に新設した水耕栽培の工場。そこに海外のシステムを導入したため、英語でのやりとりが必要になったのです。英語が話せる社員はいますが、現場にも英語ができる人材が欲しいと思い、仕組みも人材もワールドワイドに、と実習生の雇用に踏み切りました。

ー高度外国人材もいらっしゃるそうですが。

針生氏

4ヶ国語が堪能な非常に優秀な方です。日本人の場合、毎日同じようなルーティンの仕事になると、ちょっとのんびりした空気になりがちですが、外国の方は向上心が高く、毎日何かを覚えたいという思いで仕事に臨むので、日本人へのいい刺激になっています。

三嶋氏

日本人との勤勉性の違いは私も感じます。外国の方は母国に帰って会社を立ち上げたいという目標や、母国に貢献したいという思いがあるので、できるだけ多くを吸収しようとします。そういった姿勢は、我々も学ばなければいけません。

ー菅原社長も、高度人材の採用計画があるそうですね。

株式会社菅原工業
代表取締役 菅原渉氏

三嶋氏

日本人との勤勉性の違いは私も感じます。外国の方は母国に帰って会社を立ち上げたいという目標や、母国に貢献したいという思いがあるので、できるだけ多くを吸収しようとします。そういった姿勢は、我々も学ばなければいけません。

ー児玉社長は、どういう経緯で今年4月から外国人を採用されたのですか。

児玉氏

弊社では販路の新規開拓によって、コロナ禍でも売り上げが伸びています。今までのように店舗でお客さまをお迎えするだけでは今後の伸びは期待できませんし、さらなる販路開拓には頭脳とスキルが必要です。外国人にこだわったわけではありませんが、マーケティングができる人材を求めるなかで、いい出会いがあり採用に至りました。外国の方と働くことを新たなチャンスととらえ、インバウンド需要が戻ったときのために仕掛けをしたいと考えています。

ー採用の際に何を重視しましたか。

児玉氏

弊社は菓子屋ですが、文化産業でもあります。そのため、和菓子文化を理解して一緒に作っていただける方かどうかを重視しました。商品を作って終わりではなく、日本の良さであるおもてなしを理解し、実践できる人じゃないと採用は難しいかなと。今回採用した方は、接客の良さが際立っていましたね。

ー大信田社長は、何がきっかけで採用計画を実行されたのですか。

大信田氏

日本は超高齢化社会なので、医療・介護・福祉は一つの産業になっていますが、東南アジアをはじめ海外の状況を見ると、介護用具は日本よりだいぶ遅れています。福祉や介護の概念も日本とは違いますし、海外では中古用具の需要もあります。ビジネスを拡大するなら、人口が減る日本よりも海外へ目を向けるべきだと以前から感じていました。その橋渡しができる人材を探す中で台湾の方との縁があり、私どもの企業で彼を鍛えて、ゆくゆくは台湾の市場を任せてみたいと、採用に至りました。

文化の違いを理解し受け入れる地盤をつくる

ー日本人社員は外国人と働くことに対して抵抗はありませんか。

大信田氏

そうですね。弊社では障がいをお持ちの方も働いていますし、社員は多様な方と接することに慣れています。

ー舞台ファームさんの場合、文化の違いを感じることはありますか。

針生氏

入社したてのときは、コミュニケーションの問題が一番大きかったですね。日本人の方がイライラすることもありましたが、日本人がきちんと伝わるように話したかというと、実はそうでもないんです。ゆっくり話をしたり表情をやわらかくしたりすれば伝わり方は変わります。「日本だから日本に合わせるのが当然という考えはやめよう」と話しています。

ー三嶋社長は文化の違いにどう対応されましたか。

株式会社ジェー・シー・アイ
代表取締役社長 大信田和義氏

三嶋氏

初めて採用したマレーシア人はイスラム教徒なんです。文化がまるで違うことは理解していましたが、新入社員の歓迎会をきっかけに、お酒の集まりにも参加できないことを知りました。そこで、宗教的な違いを改めて聞いて、お祈りの時間・場所の提供、断食期間の帰国などの要望も受け入れたんです。ワーキンググループをつくり、社員にも文化の違いを理解してもらいました。今年の断食期間は、海外と日本とのワーケーションを試しましたね。

菅原氏

うちもイスラム教徒の方だったので、入社時に宗教的なNG項目を気にして構えていたのですが、いざ実習生が来たら、彼らの方から歩み寄ってくれたので、構えず自然体でいた方がいいと気づきました。次に高度人材が入ってきても、菅原工業のいち仲間という意識で受け入れられると思います。

ー外国の方には、いつでも相談できるメンターのような社員はいらっしゃいますか。

三嶋氏

マレーシア人の彼は、インターンシップ時から学校卒業まで、本人の希望で私がメンターになりました。入社後は1年先輩の社員がその役割を担い、今は彼が日本人社員のメンターとして指導しています。

ー舞台ファームさんは、外国人社員の定着に向けてどうフォローしましたか。

針生氏

うちでは日本語の勉強会を開いています。日本語能力検定のN1を持っている方もいるのですが、中にはコミュニケーションがまだ取れない方もいるので、N3取得を目指し、カリキュラムをみんなで作って、社員が先生になり教えています。そうすると、社員同士というだけでなく、先生と生徒というもう一つの関係性もでき、新たなコミュニケーションが生まれるんです。

単なる労働力ではなく未来を握る重要な人材

ー皆さんの業界で、外国人の採用に関する意識や温度差、業種ならではのハードルはありますか。

三嶋氏

コンピュータの業界は、外国人の採用にあまり違和感はないと思います。ただ、宮城はまだ少ないかもしれません。我々の業界では、ある程度の高度な基礎知識が必要なので、大学さんとの連携の必要性も感じています。

大信田氏

福祉業界、特に介護の分野は人手不足が深刻で、業界にとって最後の砦です。いわゆる3Kのイメージが払しょくできず、介護・福祉の仕事を志す若い日本人が少ない。外国人の活躍が課題解決につながると思いますし、海外も一つの市場と考えていますので、それに対応できる国際感覚が必要だと感じます。

針生氏

農業も若いなり手がいない業界です。それは日本人に限らず、海外の若者も同じ。海外からは実習生制度を「奴隷制度」と揶揄されていますが、それは外国の方を道具として見ているからですよね。農業は職人気質の人が多く、日本人同士でもコミュニケーションが難しい。日本人も外国人も関係なく成長できる方法を考えなければいけないと思います。

大信田氏

本当におっしゃる通りで、単なる労働力ではなく、母国に戻ったときにトップランナーとして活躍していただける方という気持ちが大切です。

菅原氏

私もそう思います。たまたま外国人だっただけで、同じ従業員だし同じ仲間です。気仙沼市の建設業では外国人の採用は少ないようですが、大手さんの現場では外国人実習生を普通に受け入れてもらっています。ただ、高度人材となるとまだまだ少ないですね。

ー小売り製造業でも外国人材の活躍は増えていますか。

株式会社こだま
代表取締役社長 児玉康氏

児玉氏

製造ラインがあるところの雇用は多いと思います。和菓子の世界も職人気質の人が多く、「技術は盗め」という感じなんですね。日本の若い方や外国の方と一緒に価値を作る方向にシフトしなければいけないと危機感を持っています。

ー菅原工業さんは、インドネシア料理のレストランを経営されています。

菅原氏

はい。弊社が採用した実習生は、もともと人手不足を解消するための技能実習生でした。でも、彼らの大半は帰国後も日系企業で働きたいと考えています。目の前で育った人たちに海外の拠点で働いてもらえたら、海外進出の際の戦力になります。その実習生がイスラム教のインドネシア人で、食事に苦労していたので、インドネシア料理店を作りました。気仙沼の人たちと食を通じた文化交流も生まれるので、気仙沼とインドネシアの関係人口を増やすハブにしたいですね。

環境整備と意識改革で優秀な人材を宮城県に

ー外国人の採用にハードルの高さを感じる企業も多いと思いますが、一歩を踏み出すには何が必要だと思いますか。

児玉氏

手続きの難しさがハードルになっていると思います。コミュニケーションの問題や指導の仕組みはその後の話で、まずスタート地点で障壁がありますね。

アンデックス株式会社
代表取締役 三嶋順氏

三嶋氏

うちも最初の手続きには不安がありました。ビザの手続きにかかる時間も長いんですよね。弊社は、東洋ワークさんと長年付き合いがあったため、手厚くサポートしていただきましたが、身近に相談できるところをつくって、勉強会を開くなどすれば、ハードルは少し低くなると思います。

大信田氏

例えば、宮城県で特区申請をして参入障壁を低くするなどの対策があれば、他の企業も積極的になるのではないでしょうか。外国の方が日本で働く場合、東京、大阪の企業に行きがちです。宮城県が働きやすい環境になれば、外国人にとっての障壁も低くなるはず。自治体の後押しがあれば非常にありがたいですね。

児玉氏

仙台で働きたい方がたくさんいるのに、実際に働いている方は少ない。それはもったいないと思います。企業としても過去の成功事例にこだわるのではなく、変化を前向きに捉えて、教育の仕組みやコミュニケーションの取り方を変えていくチャンスだと考えたいですね。

株式会社舞台ファーム
国際部門ディレクター 針生信洋氏

針生氏

企業というのは、常に上に向かって歩いていかなければ、現状維持すら難しいと思います。そのなかで、外国の方と一緒に働くのは、一つの面白いスパイスですし、新しい風が生まれるきっかけになるはずです。

大信田氏

東北の企業は、どちらかというと変化を嫌がることも多いと思いますが、中小企業にとって労働力不足は死活問題。宮城は東北の中心ですから、変化を恐れずにチャレンジする精神が必要ですよね。

三嶋氏

仙台は自然もあるし、そこそこ都会で首都圏にも近い。コンパクトシティで、いろんな意味で「ちょうどいい」都市だと思うんです。そこをアピールすれば、優秀な人材の確保につながるのではないでしょうか。

モデル企業紹介

令和4年度「Work in MIYAGI」外国人材活用におけるモデル企業5社を紹介します。

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